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食中毒の未然防止

-- 仏を作って魂入れず ---

   食中毒で有名な事件をご存知でしょうか。
10年以上も前の出来事ですが、それは、アンカレッジ発の日本のジャンボジェット機の中で起きました。
その飛行機はヨーロッパに向かっていました。中間点あたりでしょうか。
一人また一人と機内食で出されたサンドイッチで食中毒の連鎖が始まりました。
結果、半数以上の人が菌に冒され、機内は騒然となりました。
原因は、機内食を供給している会社の従業員がペットとして飼育していたオームに指をかまれ怪我をしていた手でサンドイッチにハムを挟み込む作業を行ったために、ブドウ球菌で汚染された食品を作る羽目になり、それが、機内で菌が増殖し、提供されたために起きたものでした。
機内の乗客はそのことを知る由も無く、食したことになります。
ご案内のように、飛行機内のトイレは数に限りがあります。
どのような状況であったかは想像を絶します。

私は、ある弁当店が食中毒を出してしまい、そのお詫びに歩いた人のお話を聞いたことがあります。
「なにがすみませんだ!お前、10メートル先にあるトイレに向かう途中で何回漏れるか、また、それを我慢する気持ちがわかるか!」 といわれたとこと生々しく話してくれました。
「お前の謝りだけで、あの時の気持ちが治まるものではない」とまで言われたと話してくれました。
では、このようなことを起こさないための防止策は何でしょうか。
私は、よく食中毒菌の研修をします(専門家ではありませんが)。
そうしますと、いがいにも食中毒菌についての知識が少ない人が多いのに気づきます。

 前述の、事件もそうですが、怪我をしている人を作業ラインに配置するというのは、知識のある人であれば行わないのではないでしょうか。
ましてや、生ものに直接触るという工程に配置するでしょうか。
衛生に対する意識、つまり衛生感覚が欠如していたといわれてもしょうがないことです。
しかし、問題意識を持っている人であればきちんと学習は行いますが、毎日が仕事に追われる身ではそれもかなわないと思います。

ここで、必要なのは、最低限(今では最大限かも知れません)の衛生教育を定期的に行う必要があったのではないかと考えてしまいます。

教育の仕方の議論は後に譲りますが、未然防止は仕組みづくりが欠かせませんが、先ずは、安全を守るノウハウの習得とそれを守る個々人の意識改革が必要であると考えます。
近年では、HACCPと称される総合的な衛生管理システムに取り組む事業所も増えてきました。
工場もそれに準拠して作られます。
しかし、ここで忘れてはならないことは、HACCPの見本とされていた当時の雪印乳業が犯してしまった事件です。
いくら、HACCP対応の工場をもってしても、人の心がそこに行き着いていないときは、事故が起きる可能性を排除できないということです。
個人情報のリスクにおいてもそうです。

 当代一流のリスク管理システムの会社に出向いたことがあります。 社内への入室はフェリカ、顧客データゾーンには光彩認証、実際のPCルームには指紋認証、パスワードは云々という鉄壁の体制でした。
しかし、その中身は、会社内において、お客からの要請でどうしても入室しなければいけない、そうすると担当上司が居ない場合、他人が代行しそれぞれのゾーンをスルーで人が行き来をする。
また、いちいち開閉が面倒なのでドアを開けっ放しにする等々、このような状況を見て呆れたことがあります。
名のある会社が、この会社のインフラだけを見て、依頼してくる。成長途中の会社なので、人が足りない部分は派遣でまかない。当該社員は隊長になってしまっている状態。
これでは、いくら立派な仕組みを作っても、それを構成する要員がそのことを理解しておらず、上記の上に魂の無い組織となり、この組織はリスクを孕むことになるのではないでしょうか。
 ある弁当店で、この会社を成長させるのは難しいが潰すのは簡単だと言っていたのを思い出します。中国のギョーザ事件がそれを如実に表しております。
弁当という食品を扱う会社はここまで注意を払う必要があるのです。



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