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第二章 キャッシュフロー経営における用語を理解する

第七節 短期借入金について理解する

 短期借入金とは、言葉のとおり、短期で融資を受けるものです。

融資の形態には色々あるようですが、一般的には手形証書を預け入れて、それに基づき融資を受けるというのが多いようです。

ある一定の期間(例えば3ヶ月)に、借入金を一括で返済をするというものです。利用の仕方として、急に商品が売れ出し、仕入れをして納品し売上を確保するが、仕入れ代金のサイトが早く、売上代金の回収サイトが長い場合など、当面の運転資金として、手形を担保に差し入れ「手形証書」による借入れを受け、支払いをおこなっていくというものです。

ここに、落とし穴があります。その時は融資を受け、資金を回すのですが、それが回収になったときに支払いにまわさずに使ってしまう事です。本来は、その折々の資金の補填として借りたはずなのですが、会社は成長している場合など、けじめをつけずに、このような運用をしてしまいがちです。

 ある会社は、短期借入れのみで店舗をオープンさせておりました。出店した店舗は見事時流に乗り、売上もうなぎのぼり、金融機関もその経営者の要望で短期資金を貸し続けました。
支払うのは利息だけですので、資金は潤沢になったように勘違いをし、更に出店を続ける状態でした。

 やがて、成長にもかげりが出始め、金融機関はそろそろ元金の返済も、と迫ってきました。
前述の論理で見れは、そうそう、うまくゆくものではありません。ましてや、以前のような成長も望めない状態でしたので事業存続の危機に陥ることとなるわけです。

 打開策として、自身の保全のために、店舗の店長に借金を乗せ換え、独立を促し、屋号だけは守るという策に出ました。うまくゆくかのように見えましたが、業界全体のかげりは、そうそう甘くはありませんでした。
やがて、大手資本に全てを託し、自身は引退をしてしまうというストーリーです。

 短期借入金は、常にその目的を見失ってはいけません。そのためには、返済日等に照準を合わせ、資金手当てをしておく必要があるわけです。
それらを客観的に見ておくために、短期借入金も別立てで表記し、常に返済を意識し経営に当たらなければなりません。

 流動的な資金運用が目的の短期借入金ですので、一般の現金と同様流動的に考察することが肝要です。

 また、ばくち的要素にもなりますが、当面の資金の返済が足りないという場合にも短期借入金は活躍します。ちょっと、業績が落ちた時、運転資金と称して融資を申し込んでしまいます。しかし、これが更なる資金返済を圧迫する場合もあります。

このような場合、短期借入れを上手に利用することで、好転する機会を創造できる場合もあります。
元金返済は資金繰りを圧迫しますが、短期借入金は、いわば、元金据え置きの金利のみの支払という、モラトリアムという解釈もなり立つわけです。


多くの建設業等では、工事は行っているが工事代金の受領が手形等で長期にわたる場合、支払いも長期に出来ればよいのですが、協力業者には工事が終われば早い時期に支払いをしなければいけないといった制約もあります。
このような時にも、短期で資金を調達し、支払いを行うというわけです。

本来、短期の借入金とはこのような時に利用されるのが理想ではあります。
また、当該金額が入金した時点で出来るだけ早い時期に短期の借入金は返済されるべきであると考えます。

しかし、実態は他の資金へ運用をされてしまい、手許になくなってしまうという場合が多いです。
結果、元金は支払わず、利息だけの返済で返済を猶予しているという状態が続いてしまいます。
金融機関側も承知はしているようですが、何時までもその状態にしておいて訳にもいかず、どこかの時点で、元金の返済が伴う形に変更を求められます。

こうなると、資金繰りの圧迫が始まります。でも、面白いことに、金融機関はこの返済を行うために又短期の融資をしてくるのです。
これが、短期借入金が招く、有利子負債増のスパイラルです。

上述の、事業所も例外ではありませんでした。新規店舗オープンの殆どを短期借入金に頼っていたため、設備投資が大きいのに合わせて、商品を店舗に入れる際に大量の在庫が必要なため、資金が動くためにはどうしてもこのような資金調達を行わざるを得なかったのだと思います。
正に、店舗が次々とオープンしているうちは、売上も右肩上がりで傍目には成長著しいようにも見えるのですが、実態は中々厳しいものでした。
しかし、売上至上主義の時代にあっては、返済原資(売上)が増えることは好ましいと考えるのか、融資は続きます。
また、経営側もその状態が今後も続くと勘違いをしてしまいます。

市場が成熟した段階で、成長は緩やかになり、残るのは有利子負債の返済原資という事業を数多く見てきました。

短期借入金は、悪いものではなく、むしろ企業が成長する上では必要不可欠であると考えます。特に、外部資金の調達が難しい中小企業においては、救いの手であることは疑いません。

大切なのは、その後の管理と運用です。
以外に、これがないがしろにされています。

何年か前に金融機関が倒産する事件が多く発生しました。
そのお客様をみると、以外に共通している現象がありました。
それは、その倒産した金融機関はいとも簡単に短期の融資を行っていたということでした。結果として、経営者は、返済の努力は余りせずに、同じ道を歩んでしまったということでした。

短期借入金を行う場合は、常に返済期間(3~5年)を想定した、元金返済を念頭に置いた資金管理をするべきではないかと考えます。

資金的に、その部分が返済に回されていないということであれば(例えばそれが債権や在庫のような形になっていたとしても)、それなりのプールが可能になすはずですので・・・。
資金管理とは常に、非常時を想定し運用をしなければいけないのではないでしょうか。

熊本城の城作りは有名です。常に非常時を想定し、会社作りをすることはゴーイングコンサーンとして経営を行うための柱ではないかと思います。




     
第一章 キャッシュフローとはどういうものか
  第一節 キャッシュフローとはどういうものか
  第二節 会社会計の構造を知る
  第三節 税法とキャッシュフロー
  第四節 儲けの形が変化するキャッシュフロー
  第五節 収入と支払いから見るキャッシュフロー
第二章 キャッシュフロー経営の用語を理解する
  第一節 販売費及び一般管理費に中身を理解する
  第二節 売上関連に関する用語を理解する
  第三節 経常外支出について理解する
  第四節 営業外収益・費用について理解する
  第五節 リース料について理解する
  第六節 未払金について理解する
  第七節 短期借入金について理解する
  第八節 長期借入金について理解する
  第九節 手形借入金について理解する
第三章 経営数値計画を作成してみる
  第一節 なぜ、経営数値計画が必要か
  第二節 固定費の現状を探る
  第三節 売上と原価を見積もる
  第四節 債務一覧表を作成する
  第五節 収入・支払いのサイトを明確にする
     





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