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第二章 キャッシュフロー経営における用語を理解する

第二節 売上げに関する用語を理解する

 俗に経費といわれる「販売費及び一般管理費」については、いがいに身近に感じられますので理解が早かったのではないでしょうか。

では、売上げはどうでしょうか。これは、単純明快で物品販売であれば、手持ちの商品が相手に渡った時、あるいは、渡すという約束をしたときに発生するものです。会計的には「実現主義の原則」というらしいです。つまり、売上げ実現の時期が問題になるということです。

 たとえば、エステサロンのように、事前に前受金と称してお客様よりお金を預かります。つまり、15万円の契約をし、今日は5万円だけを入金し、後は後日となった場合に、これを売掛として売上げを計上してもよいものでしょうか。
事業所側の判断でそれは自由に、となると、論点がずれてしまいますが、エステサロンのように、お金は頂くが施術は、後日以降ということになれば、売上げの認識は施術をしたときに実現するのではないかと考えます。

巷で騒がれた英会話教室などもその一例ではないかと思います。このような業種では殆どが、途中でやめる場合には若干の違約金はあるものの返金に応じるのが通例となっております。それは、本人が24回のコースを選択したときに、途中で本人が自主的に来なくなる場合を除けば、有効期限内では返金の要請があった場合は返金をするのが当たり前といえばその通りだと思います。つまり、契約時に定めた役務の履行がされていないわけですのでお客様の要望に従うのは当然です。

事例で見てみます。15万円を預かり、施術に入り、2回目を終了した時点で、止めたいとなれば返金に応じることとなります。
この場合に、前述の売上げの判断になります。契約をした時点での売上げ計上がはたして企業の実態を示したものになるかとなれば売上げの実現とはいい難い状態であろうと考えます。

特に決算をまたいでこのような事象が出た場合に、租税の負担が終わってしまったものから収益の減算が行われるというちょっとおかしなことになります。確かに、引当金という将来費用の計上ということも考えられますが、ここではそのような議論は無しにして、単純に見ていきたいと思います。

このように、商取引の慣行上、業種によっても売上げの認識時点はさまざまであろうと思われます。
いずれにしても企業は売上げが無ければ給与もそのほかの経費も出ませんので売上げが大切ではあるのです。
よく、年商○○円といわれるように、世の中の判断基準も売上高を用いているものが多いように感じられます。

確かに、売上げが多いということは事業規模の多寡を表すのに好都合であると考えます。

ここに、年商8千万~1億ちょっとを毎年あげられるお客様がおりました。最終の財務諸表(決算書)では、それなりの利益もあげているように見えました。

しかし、このお客様の売上げの中身は、年間で取引が1件~2件のみのものでした。いかがでしょうか。そうです。一件あたりの売上げが5千万以上のシステム設備を販売する業種です。
この会社の危機は設立4年目に訪れました。この年は、売上げ件数も4件売上高も2億4千万です。経費も若干増えたものの200万円強でそんなに影響ないようにも思えます。しかし、結論は、金融機関の支援無しにも立ち行かない会社となってしまいました。
理由は原価です。これまでは、20数%の利益確保が出来ておりましたが、この年の利益率はわずか9%でした。

会社を存続させる要素は売上げなのですが、本質的には利益が重要な要素となります。
経費は、利益の中から支払われることを考えれば、この利益が無ければ存続は立ち行かなくなるのは誰の目にもわかります。

売上げによって得られる利益にも5つの利益があります。
以下にその利益を記しました。


1.売上総利益
 →売上高から売上原価を差し引いたものです。売上原価の考え方は業種によっても異なります。製造業であれば、商品を製造するために支出した原材料や人件費も製造原価となり、これが売上原価ともなるわけです。この売上総利益のことを「アラリ」や「粗利益」と呼ぶ場合もあります。

また、単純は物品販売業であれば、仕入れた金額が売上原価になるのではないでしょうか。この売上総利益が実はもっとも重要な要素になります。売上総利益は裸値で使えるお金の原資になります。会社が認識する最初の儲けです。
前述のシステム設備会社は、この率が24%から9%になってしまったわけです。1億円で24%は2,400万円が裸の儲けでした。しかし、9%では、いくら売上げが2.4億円でも裸の儲けは2,160万円となり、前年に比べて足りなくなった240万円に併せて、余分に使った200数十万円と併せて、500円ほどの資金不足を招いてしまったわけです。このようなことはよくあることですが、売上総利益(粗利益)が最初の利益であるということをご理解ください。決して売上げでは無いのです。


2.営業利益
→売上総利益から、その利益を確保するために活動した諸経費が引かれることとなります。

冒頭にも話した、経費といわれるものです。人件費であったり、家賃であったりいろいろです。この営業利益の段階で利益が出ないときに、経費が多いのか、経費に見合った売上げが上がらないのかの判断が求められます。損益分岐点等に関する項は別に譲りますが、ここでは、売上げ以上に経費を使っているのか、或いは絶対に必要な売上げ自体が不足しているのかを判断し、戦略を立案しなければならないと思います。

過日も、脱サラをして事業を起こした人の相談に乗りました。事業を始めて3年目です。退職金は底をつき、融資をどうしようかというものでした。計算したところお店から上がる売上総利益のキャパシティよりも、営業経費が大幅に大きいことに気づきました。
コンサルタントに依頼し、大変な広告宣伝費を掛けていました。儲かったのは広告宣伝会社とコンサルタント会社でした。
この会社は、程なく廃業しました。(倒産は回避しました)
営業利益の概念も持たずに、夢先行で事業を起こしたまでは良かったのですが、未だ蓄えがあることを善しとして経営努力を怠った結果でした。


3.経常利益
→よく「けいつね」といわれる利益です。営業利益から、本来の営業とは異なった収益(営業外収益)と費用(営業外費用)を加減して求めます。

営業外収益には預金の利息などが含まれ、営業外費用には借入金の利息などが含まれます。
近年、営業外が事業が本業になる例が多く見受けられます。



4.税引前当期純利益
→経常利益に特別損益といわれる項目を加減して求めます。特別利益には、固定資産を売却して得た利益などが含まれ、特別損失には逆に固定資産の売却により、損をしたものなどがあげられます。


5.当期純利益
→これは、税引前当期純利益から税金等の租税負担を差し引いた純粋の利益を表します。
このように、売上げから、導き出される利益は各段階に応じて、分析の対象となります。
最終的に導き出されるのが処分可能な利益となるわけですので、売上げ自体が使えるお金ではないことは理解していただけたのではないかと思います。

 事業を行なう上において、損益分岐点の売上高を算定することは、極めて重要です。
人件費はどれくらいか、販売費はどれぐらいが適当か、その他の経費はといった感じです。併せて、得られる粗利益率(売上総利益率)の把握も重要です。

 ある、車屋さんです。計算上で粗利益を取っていたつもりが、実はメンテナンスでアラリを食い込んでいた。また、あるスーパーでは、原価値入法を選択していたために、売上げに対しての粗利益が思うように確保できていなかった等など、利益確保は非常に重要です。特に中小企業にとってはここが生命線です。どちらかというと売上管理よりは、粗利益管理が求められるのではないでしょうか。

売上げの認識の仕方に始まり、原価管理のあり方、各利益管理項目での管理も重要となります。詳しくは担当の税理士さんもしくは会計士さんに確認をし、自社の財務管理のキーファクターを抑えて置いてください。
少なくとも、自社損益分岐点の売上高だけは抑えて置いてください。




     
第一章 キャッシュフローとはどういうものか
  第一節 キャッシュフローとはどういうものか
  第二節 会社会計の構造を知る
  第三節 税法とキャッシュフロー
  第四節 儲けの形が変化するキャッシュフロー
  第五節 収入と支払いから見るキャッシュフロー
第二章 キャッシュフロー経営の用語を理解する
  第一節 販売費及び一般管理費に中身を理解する
  第二節 売上関連に関する用語を理解する
  第三節 経常外支出について理解する
  第四節 営業外収益・費用について理解する
  第五節 リース料について理解する
  第六節 未払金について理解する
  第七節 短期借入金について理解する
  第八節 長期借入金について理解する
  第九節 手形借入金について理解する
第三章 経営数値計画を作成してみる
  第一節 なぜ、経営数値計画が必要か
  第二節 固定費の現状を探る
  第三節 売上と原価を見積もる
  第四節 債務一覧表を作成する
  第五節 収入・支払いのサイトを明確にする
     





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