第三章 経営数値計画を作成してみる
第五節 収入支払のサイトを明確にする
収入と支払のサイトが異なることで資金収支に大きな影響があることは既に述べました。
それを明確に押さえるためには、それぞれのサイトを明確にしなければなりません。
例えば、売上であれば平均で何日で締めて、何日後に現金化されるか、支払も同様です。本来の理想はお客様毎にできる方が好ましいのですが、それでは大変な労力がかかってしまいますので、大まかに捉えるわけです。
大まかに捉えるだけでも、大分資金の流れが見えてくるものです。
ポイントは売上毎、経費毎です。
エクセルのようなソフトで作成すれば簡単に管理ができます。
項目名 |
現金割合 |
掛け割合 |
翌月 |
翌々月 |
3カ月 |
売上 |
20% |
80% |
60% |
20% |
20% |
人件費 |
100% |
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広告宣伝費 |
10% |
90% |
80% |
20% |
0% |
その他経費 |
40% |
60% |
100% |
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上記のように設定をし、当該項目を乗算することで、予定の資金繰りを立てることが可能となります。
このようにして、サイトを明確にする事で予定ができるわけですが、予定があれば、それに対応した実績があるわけですので、マネジメントサイクルで云う「PDCA]がはかれることとなります。
つまり、予定に対して実績はどのように推移しているか等などです。
このような基本の元となる資料として収入と支払のサイトを明確にしておきましょう。
更に掘り下げる場合には、売上は顧客事に行うのがベターと考えます。今日では、購入していただくお客様に自社サイトでの回収をお願いするのは難しい状況もあります。
ここは、顧客志向というスタンスから、それぞれの約定を取り入れる必要があろうかとも思います。
支払いサイトでも同様です。反対の立場からは支払いサイトは一律でも可能ですが、もし、大きく異なる支払いがある場合などは、売上を参考にサイト設定を行う必要が求められます。
作り方としては、上記の項目名をお客様名又は支払い先名に変更することで可能かと思います。
当然ですが、売上予算を作成する際には、顧客事の予算となることを付しておきます。
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