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第二章 キャッシュフロー経営における用語を理解する第二節 売上げに関する用語を理解する 俗に経費といわれる「販売費及び一般管理費」については、いがいに身近に感じられますので理解が早かったのではないでしょうか。 1.売上総利益 →売上高から売上原価を差し引いたものです。売上原価の考え方は業種によっても異なります。製造業であれば、商品を製造するために支出した原材料や人件費も製造原価となり、これが売上原価ともなるわけです。この売上総利益のことを「アラリ」や「粗利益」と呼ぶ場合もあります。 また、単純は物品販売業であれば、仕入れた金額が売上原価になるのではないでしょうか。この売上総利益が実はもっとも重要な要素になります。売上総利益は裸値で使えるお金の原資になります。会社が認識する最初の儲けです。 前述のシステム設備会社は、この率が24%から9%になってしまったわけです。1億円で24%は2,400万円が裸の儲けでした。しかし、9%では、いくら売上げが2.4億円でも裸の儲けは2,160万円となり、前年に比べて足りなくなった240万円に併せて、余分に使った200数十万円と併せて、500円ほどの資金不足を招いてしまったわけです。このようなことはよくあることですが、売上総利益(粗利益)が最初の利益であるということをご理解ください。決して売上げでは無いのです。 2.営業利益 →売上総利益から、その利益を確保するために活動した諸経費が引かれることとなります。 冒頭にも話した、経費といわれるものです。人件費であったり、家賃であったりいろいろです。この営業利益の段階で利益が出ないときに、経費が多いのか、経費に見合った売上げが上がらないのかの判断が求められます。損益分岐点等に関する項は別に譲りますが、ここでは、売上げ以上に経費を使っているのか、或いは絶対に必要な売上げ自体が不足しているのかを判断し、戦略を立案しなければならないと思います。 過日も、脱サラをして事業を起こした人の相談に乗りました。事業を始めて3年目です。退職金は底をつき、融資をどうしようかというものでした。計算したところお店から上がる売上総利益のキャパシティよりも、営業経費が大幅に大きいことに気づきました。 コンサルタントに依頼し、大変な広告宣伝費を掛けていました。儲かったのは広告宣伝会社とコンサルタント会社でした。 この会社は、程なく廃業しました。(倒産は回避しました) 営業利益の概念も持たずに、夢先行で事業を起こしたまでは良かったのですが、未だ蓄えがあることを善しとして経営努力を怠った結果でした。 3.経常利益 →よく「けいつね」といわれる利益です。営業利益から、本来の営業とは異なった収益(営業外収益)と費用(営業外費用)を加減して求めます。 営業外収益には預金の利息などが含まれ、営業外費用には借入金の利息などが含まれます。 近年、営業外が事業が本業になる例が多く見受けられます。 4.税引前当期純利益 →経常利益に特別損益といわれる項目を加減して求めます。特別利益には、固定資産を売却して得た利益などが含まれ、特別損失には逆に固定資産の売却により、損をしたものなどがあげられます。 5.当期純利益 →これは、税引前当期純利益から税金等の租税負担を差し引いた純粋の利益を表します。 このように、売上げから、導き出される利益は各段階に応じて、分析の対象となります。 最終的に導き出されるのが処分可能な利益となるわけですので、売上げ自体が使えるお金ではないことは理解していただけたのではないかと思います。 事業を行なう上において、損益分岐点の売上高を算定することは、極めて重要です。 人件費はどれくらいか、販売費はどれぐらいが適当か、その他の経費はといった感じです。併せて、得られる粗利益率(売上総利益率)の把握も重要です。 ある、車屋さんです。計算上で粗利益を取っていたつもりが、実はメンテナンスでアラリを食い込んでいた。また、あるスーパーでは、原価値入法を選択していたために、売上げに対しての粗利益が思うように確保できていなかった等など、利益確保は非常に重要です。特に中小企業にとってはここが生命線です。どちらかというと売上管理よりは、粗利益管理が求められるのではないでしょうか。 売上げの認識の仕方に始まり、原価管理のあり方、各利益管理項目での管理も重要となります。詳しくは担当の税理士さんもしくは会計士さんに確認をし、自社の財務管理のキーファクターを抑えて置いてください。 少なくとも、自社損益分岐点の売上高だけは抑えて置いてください。 |
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