事業所向け弁当店を開業してみよう
発注活動と原価管理
-- 確かな発注は原価管理から ---
発注活動は原価管理の根源と話しました。
その理由も、弁当店は毎日が仕入れ活動の連続であるためです。
よく、月で締めたら食材原価で50%を超えてしまったという話を聞きます。
これにはいくつかの落とし穴があります。
発注担当者(主に製品を製造している人が担当している場合が多い)は、商品の製造と原価の関係を見ていますが、実際は製造と売上の関係で見ないと正しい原価管理が出来ません。
例えば、営業で試食として出したものや、従業員が食べたもの、或いは残食として残ったものなども全て原価の構成要素となります。
以下の表をご覧下さい。
10月分 |
売上高 |
販売食数 |
業者仕入 |
ライス仕入 |
当日棚卸 |
生産原価合計 |
10/1 |
10,000 |
29,500 |
5,000 |
1,500 |
50 |
6,450 |
10/2 |
11,000 |
29,400 |
4,800 |
1,500 |
60 |
6,290 |
生産数 |
生産
単価 |
サンプル数 |
社員食数 |
ロス食数 |
合計 |
販売原価 |
販売原価率 |
30,000 |
215 |
300 |
100 |
100 |
500 |
6,343 |
63.43% |
30,000 |
210 |
400 |
120 |
80 |
600 |
6,164 |
56.04% |
実質原価率 |
月間累計原価率 |
64.50% |
64.50% |
57.18% |
60.67% |
左側に、日付が表示されております。
次に売上高、販売食数、業者仕入高、ライス仕入高、当日棚卸、生産原価と並んでおります。
生産原価は全ての仕入れから棚卸しを引けば出ます(実際には前日の棚卸しも必要です)。
ここで、当日の生産数を入力すれば生産単価を求めることが出来ます。
この表でも判るように、単価は毎日変わります。
ですから管理の必要が生じるのです。
次にサンプルで出した食数並びに社員食数、ロス食数を合計します。
この合計を減額することで、実際の販売原価が算出できます。
この表は例ですが、10月1日の販売原価率と実質原価率に約1%の開きがあります。
年商3億の会社であれば300万円の損失ということになります。
実際は日々変化をするわけですが、意外に月間で管理をし、後で原価高を招いてしまったという話をよく聞きます。
近年ではエクセルのような簡単な表で管理が出来るツールがありますのでそれらを活用し、日々の管理を行ってもらいたいものです。
原価を管理するということはイコール発注活動をコントロールすることにもつながります。
そのためにも、日々の管理活動が不可欠になるわけです。
面倒でも、毎日管理することが肝要です。
経営者は、この数字を毎日見ることがマネジメントにもなります。
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