給与明細の基礎知識


給与明細の見方編
給与明細の構造を見てみよう


財務諸表論理論暗記講座

ファイル/給与明細書の見方
毎月?もらう給料明細書、どれだけ真剣に見てみたとこがありますか、いつも手取額だけを見て後は捨てる。
残業時間もきちんとチェックしている。
ここでは、この給与明細書の見方を説明いたします。

給料明細書を見る
給料計算と労働基準法
給料計算と社会保険
給料計算と所得税



 
 総支給額と手取額
給料の額を見て、入社し、いざ初任給をもらうと、求人案内に書いてある金額と違うといったことはよくあることです。すっかり、がっかりしてしまった記憶がおありではないでしょうか。確かに、労働基準法24条では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」としている。これが原則論ではありますが、例外として、法定控除と協定控除を認めています。法定控除とは、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等の社会保険料、並びに、所得税と住民税のことを指します。これらは、それぞれ、給与から差し引いても良いという事になっているからです。

協定控除とは、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができるとしています。具体的には財形貯蓄や社員積立金などがあります。

これらが、あるため、実際の手取額が求人情報に記載される金額と異なるわけです。どれくらい引かれるかは、弊社のサイトでも確認することができますが、事前に確認することが必要です。
ある会社では、毎月の給与から預かり金と称して、金品を徴収し、賞与の時期にそれを返すという、有難みのまったく無い方法をとっているところもありました。

手取額は、実際の生活を支える基盤となるものですから、入社前にきちんと確認しておきたいものです。
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 給与明細基本用語
基本給→基本給とは給与規定等で定めてある年齢や職能等を考慮して定められる給与です。ここが、本人を評価する尺度といっても過言ではありません(近年は職能給等の新設により必ずしもそうとは言い切れない現状もあります)。しかし、実際には後述する例もありますのであまりこだわらなくても良いのではないかと思います。

○○手当→家族手当や、住宅手当、役職手当等のように、ある一定の条件が整った人に支給される、基本給とは異なった給料です。実際、仕事があまりできないにもかかわらず、様々な手当で、総支給額が勝っているという例を良く見ます。近年では、このような体系の見直しが進められているようです。

残業代→残業代とは、所定の労働時間以上を超過して労働した場合に支払われるものですが、これは、ある一定の方法(基本給や手当を含んだ金額をその月の時間給に換算しオーバーした分を一定の割合で算出したもの)で、計算したものです。

非課税額→給与として支給されるものには、税金が課せられます。しかし、一定の条件の交通費や食事手当、日当など、税金が課せられない所得があります。これらの合計を記したのが、非課税額です。

課税総額→課税支給額と表記される場合もあります。これは、総支給額から非課税総額を差し引いた額となります。これが、課税される給料総額であるということです。

社会保険料→健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料等の総称です。健康保険料は、病院にかかった場合など、医療費の負担が軽減される保険です。厚生年金保険料は、ある一定の年齢に達した時に、年金として支給を受けるために、支払う保険料です。雇用保険料は、退職をしたときに、ある一定の条件下で次の職業が見つかるまでの間、受給を受ける失業保険のための保険料です。現在では、それ以外にも助成金を受給するための資格要件としても雇用保険料が求められます。

課税対象額→給与明細の項目によくこの表示を見ます。課税総額と混同しやすいのですが、一般的に課税対象額とは、課税総額から、社会保険料を差し引いた金額を指します。つまり、実質はこの課税対象額に対して税金が課せられることとなります。

所得税→これは、国に納める税金です。この算出は、一律に行われるわけではなく、ある一定の算式に基づいて算出されます。同じ給料で同じ課税対象額でも、家族を扶養していたりした場合は、その分減額をされたりしますので、必ず時も一定ではありません。また、この税額は、賞与においても同様の現象が見られます。
賞与については、よく質問が来ますが、賞与の場合、前月中の給与と上記の扶養を見て税率を算出するため、同じ独身同士でも源泉税が変わる場合があります。具体的には給与計算と所得税の項を参考にしてください。
所得税は自分で申告をするので引かないで欲しいということをよく聞きますが、会社は、源泉徴収義務者となっており、国に変わって所得税を引くこととなっております。従って、本来であれば、自分で申告するからとか、どうせアルバイトだからといって所得税を引かないというは????となります。

住民税→住民税とは、前年の所得に対して、各市町村が計算をし納税を迫るものです。よく、前の会社では引かれなかったという話を聞きます。住民税が会社から引かれるというのは、会社が各市町村に対して、特別徴収の届出をしているからです。一般的な会社では特別徴収を選択しており、前述の「以前の会社では引かれなかった」というのは、その会社が特別徴収の手続きを行っていなかったということになるわけです。
住民税は、前年の所得に対して掛かる税金ですので、給与の高い会社にいて、リストラ?等で、給与の低い会社に移った場合、前年の所得に対してくる税金ですから、かなりの重圧となる場合もありますので注意してください。また、会社が特別徴収義務者となり、給与から天引きされる場合は、年間に課せられる住民税を12回に分けて払うことができますが、一般徴収となりますと、市区町村によっても異なりますが、一般的には6月8月10月1月の4期に分けて支払うため一回辺りの支払額が多くなります。
但し、特別徴収の場合、会社に住民税の割賦が行きますので、会社以外でアルバイトなどを行っていた場合など、ばれて具合が悪くなった人もおりますのでご注意下さい。
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 給与の支払い形態
給料の支払いで、時給○○円とか、日給○○円といったことをよく聞きます。ここでは、時給や日給等の支払形態を見てみます。
月給者 月給者とは、支払われる月額の給与が定められており、欠勤や遅刻・早退等をしても給与がカットされることがない者を指します。しかし、近年、働かなかった人には支払いをしないという規定もあり、欠勤・遅刻・早退等についてはその時間の給料を差し引くという例が見られます。
日給月給者 日給月給者とは、給与については月給で定めてあるが、欠勤や遅刻・早退或いは私用外出などは、給与から当該時間を時給等に換算し控除するという給与体系です。但し、後述する日給と違う点は、所定労働日数が少ない時でも、普段の月と同等の月額が保障されます。
日給者 日給者とは、一日辺りの給料を決め、それに基づいて働いた分だけの給料を支払うという体系です。
時給者 時給者とは、予め決められた時給で、働いた時間数に応じて給料が支払われる体系です。
出来高給 予め定められた体系に応じて、その生産或いは販売高に応じて給料が支払われる体系です。
年俸者 年俸者とは、年間の報酬を予め定めそれを分割して支払う体系です。
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 勤怠項目
勤怠項目とは、一般的に給与計算の基礎となった情報を記述します。出勤日数で合ったり、出勤時間(実働時間といったりもします)或いは残業時間等が記載されます。
勤怠
項目
出勤日数 欠勤日数 有給休暇 特別休暇 労働時間 残業時間 休日出勤
                       

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 支給項目 
支給項目とは、給与として支給される名目のことを指します。キチンと規定によって定められているところもありますが(大企業等)、中小零細企業では、実質賃金制度というよりは名目で項目をつけている場合が多いようですので、支給項目にはあまりこだわりを持って欲しくないと考えます。
支給
項目
基本給 交通費 ○○○ 課税手当 非課税手当 課税支給額 給与総額
                       
様々な手当てが支給され、その中に「課税手当」と「非課税手当」という項目がよくあります。課税手当とは文字通り税金の対象となる手当で非課税手当とは、税金の対象にならない手当のことを指します。よく知られているのが通勤交通費です。しかし、通勤交通費でも一定の条件を超えたものは課税手当として支給されます。
交通費/電車やバスなどを利用して通勤している場合
非課税となる限度額は、通勤手当や通勤定期券などの金額のうち、1か月当たり100,000円までの金額です。
この算出の基礎は、経済的で最も合理的な経路で通勤した場合の通勤定期券などの金額です。
新幹線を利用した運賃等は含まれますが、グリーン料金などは除かれますので注意が必要です。

交通費/マイカーや自転車なども使って通勤している場合
非課税となる限度額は距離に応じて決められています。
□片道2km未満 0円(交通費は全て課税です)
□片道2km以上10km未満の場合    4,100円
□片道10km以上15km未満の場合   6,500円
□片道15km以上25km未満の場合  11,300円
□片道25km以上35km未満の場合  16,100円
□片道35km以上45km未満の場合  20,900円
□片道45km以上の場合         24,500円
(平成18年4月1日現在)
課税支給額とは、税の計算の基礎になる金額ですが、実際は後述の課税対象額で所得税は計算されます。
給与総額とは、全てを含んだ正に総支給額のことを表します。社会保険の料率算定などの場合は、この金額が基礎になる場合が殆どです。
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 控除項目
控除項目とは、読んで字のごとく、給与から控除即ち天引きされる明細が表示されているものです。
控除
項目
健康保険 厚生年金 年金基金 雇用保険 課税対象額 所得税 住民税
                       
健康保険並びに厚生年金保険とは、一定の料率に基づいて控除される金額です。引かれて大変と考えがちなのですが、企業側ではこれと同等以上の金額を加算して国に納入していることを考えると大変なのは個人だけではなく会社も一緒なのだと思うと若干感情が和らぐのではないでしょうか。
さて、課税対象額ですが、前述しましたが、課税総額から社会保険料の合計額を控除した金額が実際は、所得税を算定する基礎(課税対象額)となります。したがって、もらった給与明細をじっくり見て、ここの、金額と税額表を照らし合わせて、自分の税額を見ることが出来るわけです。ただし、この税額の算定には早見表から見るものと電子計算方式により算出する方法と2種類ありますので、自社の場合はどちらを採用しているかを確認してください。
住民税は、当該事業所が、住民税を給与から徴収するという選択をしている場合(特別徴収)は給与から徴収されますが、そのような選択をしていない場合(一般徴収)は、個人宛に各市区町村から請求が行くことになります。
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