山道を歩く杖のように、人生を歩く杖となるような言葉を集めました。



独行動二十一箇条



独行動二十一箇条とは、宮本武蔵が高弟に宛てたものであると言われております。これは、武蔵が世を去る7日に前に作成されたとも割れております。
宮本武蔵は無類の剣豪としてしられて人物であります。彼が、晩年行きついた考え方は様々な意味で参考になるのではないでしょうか。



世々の道をそむくことなし(世間の道理には背かない)
身に楽しみをたくまず(娯楽や遊興を求めない)
よろずに依怙の心なし(すべてに対し依怙贔屓する気持ちはもたない)
身をあく思い、世をふかく思う(自分のことはさておいて、社会のために尽くす)
一生の間、よくしん(欲心)思わず(一生涯、身を焦すような欲望を持たない)
我事において後悔せず(自分の行った行為については、決して後悔しない)
善悪に他をねたむ心なし(善意の道徳的な判断で他人をねたむ心は持たない)
何れの道にも別れをかなしまず(会う者は必ず別れが来るという会者定離の真理をしって、いずれの道を歩もうとも別れを悲しまない)
自他共に恨みかこつ心なし(人は互いに恨み嘆くようなこころは持たない)
れんぼ(恋慕)の道、思いよる心なし(思い募るような恋の道には思いの心をよせない)
十一 物事にすき(数寄)このむ事なし(風流・風雅の道といった趣味を好まない)
十二 私宅において望む心なし(自分の家には執着しない)
十三 身ひとつに美食をこのまず(健康を保つために美食は避ける)
十四 末々代物なる古き道具所持せず(代々家宝となるような骨董品などはもたない)
十五 我が身にいたり、物いみする事なし(不吉なものを避けることはしない)
十六 兵具は格別、余の道具たしなまず(道具は自分にあったものを用いる)
十七 道においては、死をいとわず思う(兵法においては常に生死を念頭において、死という事を覚悟する)
十八 老身に財宝所領もちうる心なし(死に行く老体には一切の所有物はいらない)
十九 仏神は貴し、仏神をたのまず(仏神は崇信するが、その加護に頼むようなことはしない)
二十 身を捨てても、名利はすてず(一身は犠牲にしても、その結果の名誉と利得は追求する)
二十一 常に兵法の道をはなれず(兵法の道を常に鍛錬する)




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